振替納税は個人事業主が支払う所得税・消費税を指定した口座から引き落として納付する制度です。
株式会社などの法人ではこの制度はありません。

銀行の窓口に行って支払う必要が無いので便利なうえに、支払時期が約1カ月遅くなるので資金繰りの上でも余裕が生まれるメリットもあります。
(所得税の納付期限は3月15日だけれども、振替納税だと4月20日頃に引き落とされる。)

 

口座引落が済むと、銀行から領収証書が郵送されてきました。
この領収証書が平成29年から送付されなくなります。

 

国税庁HP:振替納税の領収証書送付取りやめのお知らせ

 

振替納税は確定申告の納税だけでなく

・夏(7月)・秋(11月)の所得税の予定納税
・夏(年1回、8月・支払は9月)、年3回の消費税の予定納税

の納税にも使われるので、予定納税の領収証書も送付されなくなります。

 

 

銀行への対応方法

振替納税の領収証書は融資の際に提出を求められることがあります。

これからは提出できなくなりますから、銀行からは他のものを求められると思われます。また、融資の担当者が求めてきたら、送付されなくなった事を伝えて代替物が何かを確認することになるかと思われます。

また、税務署では、振替納税による納税をした事の証明が書面で必要な方には証明を行うこととなっています。

 

 

7億円の経費節減につながるそう

会計検査院の指摘により送付取りやめとなったそうです。

会計検査院HP(PDF):国税の口座振替納付に係る領収証書等の調達及び納税者への送付を廃止することにより、口座振替納付にかかる経費の節減を図るように改善させたもの

この措置により、7億円の経費節減ができたそうです。

 

このPDFによると

「銀行の窓口で現金で納付した場合には領収証書が必要となる。これと同様に扱う必要があるとして、領収証書を郵送していた。窓口で納付した場合は、納付した事実を明らかにするために領収証書が必要であるが、口座振替により納付した場合は預金通帳によって納税した事実を明らかにすることが可能であると認められる。

このように領収証書を送付する必要性は高いとは認められないのに、多額の経費を支払っていた事態は適切ではなく、改善の必要があると認められた。」(要約しています。)

と指摘されています。

 

確かに、通帳で支払ったことが分かるのに、何で領収書を送ってくるのかな?と疑問でした。民間だと、振込で支払うと領収書を発行しないことが多くあるのに、無駄だな、と。