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ちょっとだけだから、のつもりが意外と長くなり、戻ってきたら・・・

あれ、ドアミラーになんか付いてるぞ・・・。

 

やられた!

 

そう駐車違反です・・・。私も仕事中に1度か2度はあります。

 

 

法人の場合、原則的に経費にならない

社長や従業員が業務中に駐車違反をした場合、業務中なので違反をした個人に負担させるのではなく、会社が支払うことがあります。

しかし、駐車禁止の罰金に限らず、交通違反による交通反則金は原則的に経費になりません。
法人税を計算するうえで経費にならない「損金不算入」という扱いになります。

※法人税の世界では経費の事を損金(そんきん)と言います。

 

罰金は罰を与えるために支払わされるもので、苦痛を与えるものです。
これが経費=損金になるのならば、罰金が法人税を節減する効果を持ってしまいます。
駐車禁止という交通違反をしたのに法人税が減少してしまうのは「おかしい」、という考えから、国は駐車禁止など交通反則金のすべてを損金不算入にしています。

※過去に「スピード違反!罰金は経費になるか」でも同じことを書いています。

 

給与にすることもできる

駐車違反に限らず交通反則金は損金不算入でした。しかし、例外的に経費=損金にすることができます。

それは、駐車禁止をした社員の給与にすることです。

 

会社は社員に支払った給与は経費にすることができますから、何の問題もありません。給与ですから、給与計算の際に含め源泉所得税の対象となります。(翌年の市県民税(住民税)もその分増えます。)

なぜ給与か?というと、交通反則金は違反をした本人が負担すべきものです。それを会社が立て替えて支払っているので、給与の扱いとなります。

 

また、違反をした本人に負担させるが、一旦は会社が立て替えて支払う場合は、社員に対する貸付金になります。

 

社長の場合は損金にならない

社長さんの場合、役員報酬は原則的に毎月定額です。法人税法で損金になる社長の役員報酬は毎月定額のもの、と決まっているから、ほぼ全ての社長は役員報酬は毎月定額です。
しかし、交通反則金を給与としてしまうと、交通反則金分だけ「定額」でなくなります。そのため、結局、経費、損金不算入となります。

社長さんの場合は、会社が法人税を負担するか、自分で払うか、のどちらかになります。

 

法人税の増加額

損金不算入になると、法人税がどれくらい増えるのでしょうか?

駐車違反の罰金を15,000円、法人税率をざっくり25%します。15,000が課税対象になりますから、「15,000円×25%=3,000円」となります。

15,000円の罰金で3,000円の法人税が増えます。(法人税、県民税、市民税込みの金額です。)

 

会社の決算が赤字の場合や過去の繰越損失がある場合は、相殺されますから法人税負担は発生しません。

 

 

租税公課か雑費でOK

損金不算入を覚悟して会社で支払った場合、勘定科目は「租税公課」か「雑費」が一般的かと思われます。ただし、勘定科目を「OOにしなくてはならない」という決まりは特に無いので、会社の基準、自分が分かりやすいもの、経理責任者の方や顧問税理士さんに相談して決めることになるかと思います。

 

 

個人事業者の場合は

個人事業者でも必要経費にならない扱いは同様です。

そのため、個人事業者が駐車禁止などの交通反則金を支払うことは生活費の支払いと同じになります。

そのため、勘定科目は「事業主貸」や「店主貸」となります。