僕の今までの経験から感じていることなのですが
事業承継で悩んでいる会社さんは、子供が後継者になることを
前提に会社を作ってこられたように思います。
子供さんが継いでくれればHAPPY。
そうでないと、UNHAPPY。
なんだか、のるかそるか、ですね。
人生の先輩でもある社長たちの事業承継、相続をみていますと
事業承継は、間違いなく、経営者人生の最後の大仕事だな、と感じます。
で、自分自身はどう考え行動するのか?
これが非常に重要です。
子供を後継者にする以外には、どんな選択肢があるのでしょう?
1、売却。俗に言うM&A。
従業員に売却するケース、縁がある取引先に売却するケース
第三者に売却するケース、があります。
2、上場する。
上場すれば、所有権である株式は売却することができ
後継社長も探しやすくなります。
3、廃業。
後ろ向きな廃業ではなく、「自分の役目を終えた」意味合いでの廃業です。
自分一代で店を閉めてしまうケースですね。
これも潔くていいかもしれません。
自分に帰属する「何か」で商売を組み立てているケースは多いのかもしれません。
僕らのような税理士は「資格」に依存していますから
資格者がいなくなったら、終了です。
こんなところでしょうか。
これから起業する方は、起業する時にいろいろと考えることと思います。
どうして起業するのか?何のために起業するのか?何を実現したいのか?といった経営理念。
どうやってサービスを提供していくか?
どうやって広報・広告していくか?お客様に知って頂くか?
お金のことも。
これらと一緒に、「どうやって仕事を辞めるか?」も考えて頂きたいと思います。
先にあげた選択肢のうち、どれが自分に合うのか?
僕自身は、従業員・同業者、誰になるか全く分かりませんが
誰かに売却するつもりでいます。
0円かもしれないし、高額になるかもしれません。
僕自身、開業する時に、理念やHP、パンフレットや資金調達、事務所探しなど
いろいろなことを考え実行しました。
と同時に、「どうやって仕事を辞めるか?どの選択肢を取るか?」を考えました。
考えた、というか、自分の過去の体験から生まれてきたものであり
それが自分の価値観とマッチするものでしたので
自然とそれが結論となりました。
売却するつもりで経営し会社を創っていけば、売却価値のある会社になるでしょう。
売却する、という意思の元で経営していかないと
第三者が「お金を出してでも欲しい」という会社にはならないと思います。
「お金を出してでも欲しい」会社とはどんな会社なのでしょうか?
答えは簡単で、あなたが欲しいと思える会社です。
自分自分が欲しいと思える会社にしていければいいだけです。
また、第三者がお金を出してでも欲しいという会社であれば
まかり間違って子供が後継者になることもできます。
選択の幅が広がります。
おまけに、起業するときにこんなことを考えると
長いスパンで会社を考えるきっかけにもなって
案外と時間が無いんだな、ということに気づいたり
長期の経営計画を立てるきっかけになったりもします。