昨晩は7月決算のお客様と打ち合わせ。

この御時世にもかかわらず、しっかりと利益を出されていて
予測税額も相当な額になりそうです。

もちろん、数か月前からしっかりと業績予測をたて
納税額の試算を行ってきました。
節税対策の立案も行って、なるべく納税額を減らすよう
努めたのですが、自分の力不足を痛感しました。


希望の納税額ではないため、どうしても御納得頂けない。

法人税等は利益×税率で計算されます。

税率はほぼ一律なので、利益が増えれば比例して税金も増える。
単純な理屈です。
税率は法律で決まっているので、これを変動させることはできない。
なので、利益を減らすことが節税の基本です。

利益を減らすにはどうすれば良いのか?
このことを僕らは考えるのですが、、、、、、、、、、
なんだかオカシクナイデスカ?

利益を求めて、儲けるために頭と体に汗をかいているのに
利益を減らすだなんて・・・。




節税には、4種類あると言われています。

・お金が出ていくもの、お金が出ていかないもの
・税金を永久に減らす効果があるもの、来期以降へ繰り延べるもの

この組み合わせの4種類です。


税金を減らしたい、と考えるのは、お金が出ていくのがイヤだから、です。
そうじゃないですか?
自分はお金が減るのがいやです。
会社のお金が増えていけば、それだけ財務的に余裕が生まれるからです。
だから、なるべく、お金を自社に残したい。当然の考えです。

節税の目的はお金を残すこと。
そういう前提をおいて考えると、上記の節税のうち
「お金が出ていくもの」の方法は、あんまりうまくない方法です。
もちろん、節税も兼ねて、古くなった機械や道具を新しくするとか
徹底的にメンテナンスする、とか会社の生産性があがったり
仕事がやりやすくなったする投資は大賛成です。

しかし、基本的にお金を減らす節税は、私は本末転倒だと考えています。
特に、生命保険による節税は多くの場合、最低5年程度の期間をみて
考えるべきものですが、今期のみの利益圧縮のために
加入するという行為は単純にお金を減らすだけなので考えものです。
(会社として必要な保障は入ることは必要です。)


私が考える節税策の前提をまとめると

・お金は出ていかないもの
・会社を強くするための投資は今期中に行って結果的に節税に繋げる

2点に絞られます。


利益が出ないとお金は貯まらないから利益を出す。
そうすると、法人税は高くなる。
税金を払うのはイヤだけど、お金も残したい。
利益が無ければ法人税は安くなるけど、これではお金が貯まらない。
しかし、利益を出すと、法人税が高くなる・・・。

このダブルバインド、二律背反関係を乗り越えないと
この国で経営できない、と思います。

自分も含めてですが、なかなか、乗り越えられないです。

しかし、乗り越えないとお金が貯まらない。
当初の本来の目的を果たすことができないのです。



せっかく出た利益。稼いだお金。
これをアホな節税なやりすぎで失ってしまってはもったいないです。
本末転倒です。

なんとかこれを乗り越えないと。