現在、休眠会社の申告を行っているので
休眠会社の均等割について書いてみます。
余談ですが、当社のお客様で休眠会社をお持ちの方が3人
休眠検討中が1社と、なかなか休眠が多いですね。

休眠会社とは、設立して事業を開始したまではいいですけど
何かの事情で営業活動をしていない会社を言います。

商売をしないなら会社を畳めばいいのに、とも思いますが
会社を畳む手続きの解散・清算の手続きも費用と手間が
かかるので、ほったらかし、というのが経済的であったりもします。

しかし、税務申告を税務署、都道府県、市町村に行う
義務はちゃんとあるんです。
休業中で営業活動を行っていないので
誰がどうやって申告をするんだ?と矛盾を感じますが
法律上、義務だけは存在し、申告書も送られてきます。

赤字の繰越(繰越欠損金)の適用を受けるには
青色申告であることが必要です。
青色をを取り消されてしまうと繰越欠損金は消滅します。

青色申告は2年連続で申告期限に遅れると
取り消されてしまいます。

休眠会社に繰越欠損金があって
将来、復活させるつもりがある場合は
申告だけは行っておくことをお薦めします。

ただし、繰越欠損金を繰り越すことができるのは
7年間だけなので、7年を超えても消えてしまいます。

多額の繰越欠損金がある場合
使わないのはもったいないです。
繰越欠損金は将来の利益から控除することができます。
繰越欠損金×約30%(概算の法人税率)が
節税効果として見込めます。

簡単にまとめると、繰越欠損金は
(1)7年間だけ繰り越せる。その後は消えてしまって使えない。
(2)繰越欠損金×約30%、の節税効果が見込める。
と、言えます。

だから、繰越欠損金を抱えた休眠会社をお持ちの方は
繰越欠損金が消滅する前に手を打つことをお薦めします。

具体的に行うことは
1、繰越欠損金を消滅させないよう、申告だけは行っておく。(青色申告の維持)
2、繰越欠損金を有効活用できる道を検討する。

繰越欠損金を有効活用する方法は
繰越欠損金と利益をぶつけて、利益を相殺させることのみです。
新しい利益が出そうな事業は休眠会社で行ったりします。

また、最近では、合併を行って
現在、事業を行っている会社に繰越欠損金を引き継がせて
節税することも可能です。
(2つの会社を合体させてしまおう、ということです。)

いろいろな道、方法があると思います。

その前に繰越欠損金を消滅させないように
申告を行わなければなりません。
休眠しているので、売上、経費、利益はゼロです。
そのまま申告をすれば良いのですが
ネックになるのが都道府県、市町村に払う均等割です。

次回はこの均等割について考えてみたいと思います。