今日は静岡商工会議所主催の創業塾で
講師を行わせて頂きました。

全5回、全て土曜日開催。今日が3回目。
土曜日にも関わらず、申込者はほぼ全員が出席、という
意識の高い方達ばかりで緊張しました。

私に与えられたテーマは「開業後の決算、申告」。
3時間という短い時間でエッセンスのみを伝えるよう
努めたつもりです。
お越し頂いた方の今後の事業経営のお役に立てば
これに勝る喜びはありません。

たくさん売上をあげ、たくさん利益を出し
たくさん税金を払ってください(笑)!
たくさん税金を払う=たくさん儲かっている、ということですから
税金を払う苦痛とたくさん儲かる快感の双方を
同時に味わってください。

御質問をいくつか頂き、その場でお答えしたのですが
補足説明をしたい点がありますので
アップ致します。

共同事業について、です。

「共同事業はうまくいかない事が多い?」という意見を頂き
「私もそう感じているし、私はうまく行かなかった例を多く見ている」ということを
お伝えしました。
時間も無いので、これ以上話を進めませんでしたが
「共同事業=失敗への道」という誤解を招いてしまったのではないか?と
感じ、補足説明をしようと思います。

例えば、私のお客様の中で、共同事業を行っている方がおられます。
取締役4名、所有株数は4分の1づつ。平等です。
2対2では話は決まらず、3名か4人全員の賛意がないと意思決定されません。

で、この会社は現在どうか?

うまくいっています。
そこらへんの会社よりもうまくいっています。
それは、4人の取締役が互いの足りない部分を補いあい、支えあい
共通の目標に向けて進んでいるからだと、感じています。

この会社と私が今まで見てきた失敗した会社とどこが違うのか?

「依存心」だと考えています。
「責任転嫁」と言い換えても良いです。

共同事業にしろ単独で開業するにしろ
「依存心」がある人は、ほぼうまくいきません。
ナマイキですが、断言してしまうほど、私は確信があります。

では、私の考える「依存心」とは?
逆説的ですが、「依存心」の反対を定義すると
「事業経営で生じる全ての結果と責任を甘んじて受け入れる」ことです。

「依存心」がある方は、都合の良い結果は受けれいますが
都合の悪い結果は見ようとしません。
「存在しないもの」とするか、「他人の責任」にします。
「他人の責任」は、景気が悪いとか政治が悪いとか
「自分以外のものの責任」にすることを意味します。

まあ、ご都合主義なんでしょうか?

共同事業の失敗で良く見てきた具体例として
とにかく「進まない」ということがありました。
これも「依存心」の存在が原因だ、と今は分かります。

サラリーマン、特にある程度大きな会社のサラリーマンだと
「俺がやらなきゃ、誰かやる」精神があるのではないでしょうか?
別に自分がやらなくても、他の誰か、部下や同僚がやってくれる、やらせる。
知らない間に他人任せになっているのです。

しかし、開業後は「俺がやらなきゃ、誰もやらない」なのです。
なので、何でも自分が動かないと何も形にならない、ということになります。
開業後は自分以外に頼る人がいない状態になります。
信頼できるスタッフ、信頼できる外部の協力者を得て事業を進めますが
基本的に自分が主体的に考え行動することが必要です。

うまくいかなかった共同事業の場合、「こうしよう!」と方針が決まります。
「じゃあ、誰がやる?」となると、誰もやろうとしない。
で、誰もやらない。何も進まない。

「何で進まないんですか?やってないんですか?」と聞くと
「○○がやると思ってた」とか「これは○○の担当だ」とか
「俺は何々をやっているから、これくらいは○○がやっていいはずだ」など
子供みたいな回答が返ってきます。

これじゃあうまく行くはずが無いですよね。

共同事業がうまくいく前提条件として私が考えるものは
1、自分に「依存心」が無い。
2、パートナーに「依存心」が無い。
3、ビジョンを共有できる。している。
以上です。

で、対応策です。
「1」の自分に依存心がある場合。
開業を辞めるか、背水の陣を敷くため、独力で開業しましょう。
自分1人でやれば、他人のせいにすることはできません。

「2」のパートナーに依存心がある場合。
開業を辞めるか、独力で開業しましょう。
自分1人でやれば、自分のせいにされることもありません。

「3」は言うまでもありません。

共同事業のパートナーは「仲の良い友達」レベルでは務まらない、と考えています。
互いの人生を賭ける訳ですから。

かといって、私は共同事業を否定するつもりはありません。
むしろ、推し進めたい方です。
自分自身も他の税理士さんとチームを組んで(税理士法人化して)
事務所運営をしたい、と考えています。
パートナーが私に無いものを持っていて、パートナーに無いものを私が持っている。
補完しあうことで1+1を3にも4にもしていく。
そんなことを考えています。

1人では限界がある。
それを突破するにはチームを組むというのが有力な選択肢の1つ、と
私は考えています。