自己所有の事務所や倉庫。
会社と共に年月を経ていくと、外壁が経年劣化してきます。


見た目が悪い。
ここらへんの言葉で言うと「ぶっしょったい」。
事務所の見た目が悪いと会社まで悪く見られてしまうのでは?と
思われる方もおられるかと思います。


「酒井さん、うちの事務所の外壁、おぞくなってきて、ぶしょったいもんで
 全面的に塗り直そうと思っているだけーが、経費になるだか?」


と聞かれる事があります。

 


答えは「なります」。


修繕費となれば、金額の大小にかかわらず全額経費でOK。
そうでなければ、新しい資産の取得となってしまいます。(資本的支出)


では修繕費とは?


修繕費とは「維持管理や原状回復のために要した」支出です。


例えば、新築の時の外壁の状態を100とします。
現在、経年劣化により、40まで外壁の状態が劣化したとします。
外壁の塗り直しにより、40から100まで状態を改善させる=原状回復するのであれば
「維持管理や原状回復のために要した」と言えますから、修繕費です。


多くの外壁の塗り直しは、上記に該当しますから、全額経費でOKです。

 

こちらの国税庁のQ&Aが参考になります。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5402.htm

こちらのページでも

その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した時に損金算入が認められます。

と、説明がされています。

 

修繕費に該当しないものの例示として、

避難階段の取付(物理的に新規資産の取得)
用途変更の為の模様替えに要した改造費・改装費(新たな価値の創造)
機械の部分費を特に性能が高いものへ変更した場合(価値の増加、使用可能期間の延長)
※【私見】建設当時の仕様・品質のものがなく、現在の仕様・品質のものを使って修繕した場合
 結果的に性能が高いものになってしまう事があります。
 こういう場合は修繕費に該当すると考えます。

があげられています。
これらは経年劣化した外壁の塗装工事とは質が異なります。

 

 

外壁塗装工事は安くありません。
金額が高いと修繕費にする事に抵抗を感じることがあります。
が、通常の維持管理や原状回復に該当するものは修繕費となります。
工事内容を吟味してみてください。