ある老夫婦とお会いしました。
数年前から商売を始めていて、そこそこ以上に儲かっているらしい。
奥様がつけている手書きの帳簿を拝見しても
そういう匂いがします。

で、ここからが本題。

なんと、この方達、全く申告をしていなかったのです。
全くです。完全にほったらかし。
「こういう事(商売なのか無申告なのかは不明ですが)をしていれば
 いつか税務署さんが来てくれるだろう。」
と思っていたら、今年来たようです。

帳簿は何にもない。売上や仕入の請求書・現金支払の領収書を
どさっと箱に入れて、それを税務署の方が5年分見たようです。
それで、出てきた数字が何百万。
もちろん、延滞金、加算税などの罰金も込みの金額です。
その上、住民税や事業税、はたまた国民健康保険までやって来た。

もう大変だったようです。

話を聞いていると、まあ酷い調査だったようです。
例えば、家事関連費は全額否認。家で商売をやっているのに
電気代も電話代もガス代も水道代も全部ダメ。
携帯電話もダメ。理由は「仕事と家事と分けられない」から。
電気代は仕事部屋や倉庫と他の部屋のメーターが分けていないから
ダメ、なのだそうです。
これがまかり通るなら、自宅で商売をされている方は
ほぼ全員が脱税ですね。

他にもいろいろあるようですが、老夫婦は税務のことを何も知らないので
言われるがままに申告して税金を払ったそうです。

帳簿もつけておらず、申告もしていない老夫婦が悪いのは百も承知です。
しかし、この調査と税額の決定の流れもどうなのか?
と思います。

と、同時に、帳簿をちゃんとつけて資料と一緒に保存しておく
ということは、自分を守ることにもなるのだ、と言う思いを強くしました。
資料と帳簿類があれば、税務署も頭ごなしに無茶を言ってきません。
(ほとんどの人は)

経理や帳簿付けは面倒かもしれませんが、自分を守るためにも
必要なものなのですね。
改めて、実感しました。