1人しかいないスタッフを怒鳴り散らしました。
そのきっかけはスタッフの質問から・・・。

その質問とは、お客様の会社の決算処理について、でした。
このお客様は最近ご契約いただいた方で
前の税理士さんがご高齢で事務所を閉鎖してしまったため
私どものHP経由でご契約頂いた方です。


質問の内容は、
法人名義の残高証明書に記載されている当座借越の残高を
貸借対照表から除外してもいいですか?という質問。
最初は何を言っているかが分からず、悩み悩み悩んだ挙句に理解!

こちらの恣意でもって、残高証明書に記載されている借入金の一部を
決算書から除外すれば、当然!粉飾決算です。

「○○君!言っていることが分かってんのかー!!!!!」と激怒。
私どもの事務所では粉飾決算をしたら、即クビです。懲戒免職です。


しかし、○○君が可哀想でした。
話をよく聞くと、前の税理士さんが作成した決算書には載っていなかった、とのこと。
「へ?」と私。
さらに、証書借入の残高も食い違っている、とのこと。
「へ?へ?」と私。事実が全く理解できません。

まさか、決算書の借入金の残高が残高証明書と違う決算書があるとは・・・。
それも、シロートではなく、プロの税理士が関わっていて・・・。

○○君は、事実(=残高証明書)に合わせたいのだけど、どのような処理を
すればよいのか?を聞きたかったようです。
私は、そもそも事実と食い違うことになってしまった仕訳を聞きたいです。


今まで、いろいろな社長と会い、いろいろな決算書を見てきました。
正直、粉飾決算の決算書もいくつか見てきました。
しかし、こんなに酷い決算書、決算処理は見たことがありません。
ここには書けませんが、借入金絡みで本当に酷い処理がされています。
決算書の信用力を無くし、余分な税金を払わされる処理がされています。

この会社は20年3月決算で大幅な利益が出ます。社長の努力の賜物です。
これの利益で資本金相当額の資本の部に復活します。これからが利益の蓄積です。
しかし、税務上の繰越のマイナスがほとんど無いため
多額の税金の支払があります。


当然、会社側にも非があります。
こういう税理士と契約をしたこと。
帳簿付け・経理を税理士に丸投げして
自分達には分からないから、という言い訳をして、報告を受けなかったこと。
おかしい、と思いながら、まあ任せてあるから、と油断したこと。
商売をしていくなら、ずっと付き合っていかなければならない
税務の勉強を全くしていなかったこと。


住宅に例えれば、施主と工務店が一緒になって劣悪な欠陥住宅を作ったようなものです。
税理士の独断ならば、工務店が独断で欠陥住宅を作ったようなものです。
工務店ならば、市場の制裁を受けて潰れるでしょう。
しかし、税理士事務所は潰れない。



追伸

こんな決算書を出された金融機関はどう思うのでしょうか?
自分達が貸した借入の残高が違っている。
そんな決算書でしか融資の審査をするしかない
金融機関も可哀想です。