大層なタイトルなんですが、結論は「自分へのご褒美を最後に取っておく」という事です。

 

 

お金の使い道は3種類(だと思う)

 

自分の経験も含めて、事業の支出=お金の使い道は3つに分類できるな、と考えています。(1)投資、(2)維持費、(3)趣味、です。

 

 

投資は、将来の利益を産むためのもの

 

投下した資金が未来に利益となって戻ってくる。投下した資金よりも多くなる事を望みますが、少なくなる事もあります。投下資金の回収期間もあっという間に終わってしまうかもしれませんし、長期的に果実をもたらしてくれるものもあります。

内容の違いはあれど、投資は将来の利益を産むために「必要」なものです。

投資は人とモノへの投資に別れます。

人=社員となりがちですが、中小零細企業は社長でほぼ決まります。何かの間違いで優秀な人が入ってきても、社長がバカなら優秀な社員は潰されて終わりです(反省)。また、商売の全分野における決定権を持つ社長がバカだったら、うまく行くはずはありません。

なので、人への投資は社員に行うものではなく、まずは社長自身への投資が主です。社員は社長がOJTで教えればいいのです。個人的に「仕事は見て盗むもの」と思っているので、教えなくても覚える人は覚えるし、どんなに教えても覚えるつもりが無い人は覚えません。なので、OJTで社長の仕事を見せるのが一番良い教材だと思います。
(この社員にどんな「意図」を持ってもらうか、は社員教育で重要な事だと考えています。)

モノへの投資は、人以外への投資です。
仕事を遂行する上で必要な機械、設備、道具はもちろん、広告宣伝費用、良い立地の為の地代家賃など。将来のキーマンと繋がるための交際費も「投資」に含まれると思います。

 

 

維持費は必要不可欠なもの

 

維持費は、その商売をやり続けていくためにどうしても必要な支出です。
社員に支払う今月の給料、電気代や電話代、水道光熱費の公共料金、複合機のリース代、印刷する為の紙代、(立地が関係ない商売の)事務所や駐車場の家賃、業務遂行上必要なクルマの購入費・維持費、会計事務所代などが該当します。

「維持費」は現在の利益を産み出す為に「必要」な支出です。

 

趣味は厄介だ・・・

 

趣味は社長の個人的な趣味の要素が反映されたものです。個人的な趣味ならまだ良いのですが、見栄や虚栄心や安目のプライドの維持の為に使われていることもあります。
「投資」の要素とミックスされているものもあるし、「投資」が言い訳に使われている支出だったりします。

また、投資と維持費は「必要」なものでしたが、趣味は「欲しい」ものを手に入れる為の支出です。

例えば、最新のガジェットが好きな社長ならば、「仕事に必要だから」という名目で半年に1回のペースでタブレットを買い替えたり、ノートPCを買い替えたり。または、「これくらいのクルマじゃないと恥ずかしい」という理由でリスケ中にもかかわらず高級車をフルローンで買ったり、などです。

趣味が厄介なのでは、一見マトモな理由で「欲しいもの」を買う理由を正当化してしまうところです。周りの人はそれが言い訳に過ぎない事を承知しているので、言い訳は自分自身に対して行っています。
これにより、「本当は不必要なものを買っている」事に対する罪の意識を感じる事から逃避している、と私はみています。なので、ズバッと指摘したりすると、あからさまに怒ったり、イヤ~な顔をされたりもします。

 

では、どうするか?

 

もう、答えは出ています。

それは、「投資」にお金を使うことです。
独立開業して、いきなり軌道に乗り安定経営になり、順風満帆に売上・粗利益・最終利益が右肩上がりで推移していく、なんてことはあるかもしれませんが、ほぼないです。
それよりも、カネが無い、カネが無い、カネ無いカネ無い、ナイナイナイ・・・、になる事が多いのではないでしょうか?

なので、少ない売上から生まれた粗利益から「維持費」を支払い、自分の最低限の生活費を確保する。残額は投資に回す。または、将来の投資のために留保しておく。留保してまとまった資金ができたら、投資に回す。投資により生まれた利益は、また投資する。再投資により生まれた利益は、さらに投資する・・・。

この、「開業時の初期投資」→「利益」→「再投資」→「より大きい利益」→「再々投資」→「さらに大きい利益」・・・、という拡大再生産のサイクルを回していく事が、独立開業して年収1,000万円に到達するために必要なことだと考えている、というか、自分の経験や周囲の方を時系列で追っていって得られた結論です。

また、この事は、なるべく安定した経営に乗せる、という点でも重要な事だと実感しています。

 

独立開業して年収1,000万円を掴む為には、まず自分の取り分をあえて減らして、投資にまわすことが肝要です。種を植えてから収穫するまでの期間が長ければ長いほど、複利で運用するかのように、収穫する果実が多くなるように思います。
逆説的ですが、まず自分の利を捨て、後に利を得る。この気持ちで実際に数年を経れば、経営基盤は安定しているでしょうし、年収1,000万円を掴む為の素地はできているでしょうし、達成しているかもしれません。

 

 

おまけ

 

初期投資で得た利益や、得た利益を「趣味」に使ってしまうと、「投資」のみならず「維持費」さえ支払う事が困難になってきます。
例えば、壊れた機械を買い替えられなかったり、早い段階で修理に出すことができず機械が壊滅的に壊れてしまったり。モノならまだしも、直接的に利益を生み出してくれる社員が離れてしまったり・・・。