国税局OBが脱税指南で逮捕された。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20151021-00000033-jnn-soci

複数の脱税事案に関っているよう、とのこと
真相はどうなんだろうか?

 

他にも、こんなのがあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20151024-00000012-ann-soci

いずれも今月(平成27年10月)のニュースだ。

確定申告・年末調整シーズン前だし、マイナンバーは導入直前で
引き締めておこう、ということなのだろうか。

 

しかし、不思議なのは、なぜ脱税を行うのか?
倫理的に良くない、とかそういう事ではない。倫理的に良くないのは当然。
でも、そういうきれいごとではない。
きれいごとはキライだ。

税金をたくさん払いたい、という人に会った事が無い。
(税金をたくさん払えるようになりたい、という人は多い。)
昨日も今日も、たぶん明日も合法的に税額を圧縮する相談だ。
なので、私達税理士たちはどのようにしたら税額を圧縮できるか?を
自動的に考えるように思考回路が書き換えられている。
どんなに酔っぱらっても税金の議論ができる、気持ち悪い
一緒に酒を飲んでいると酒がまずくなる人種の1つだと思う。

 

脱税で捕まった彼らはエキスパートだろう。
国税局OBと聞くと、本当にエキスパートっぽい。
敵のやりくちを知っているから、二重スパイ的なニオイもする。

いや、確定的にエキスパートなのだと思う。
だからこそ、脇が甘くなり脱税を指南してしまったのだろう、と思う。

かくいう私も脱税相談は時々される。
相談する方はそれが脱税と気付いていない事が往々にしてある。
「それは脱税なんです。」と諭すと、ほとんどの方は「ごめんなさい」と仰って頂ける。
が、「バレないようにやるのが税理士でしょ!」と言う人もたまにいて
こういう方は目の前から消えて頂くことにしている。
だって、免許剥奪で仕事ができなくなったら、大変な事になってしまう。

この「消えて頂く」人種の方々と付き合ってしまったのではないだろうか、と思う。
脱税の確信犯と付き合ってしまったのではないだろうか。

国税局OBは「敵」=税務署および国税局査察課のやりくちを
熟知しているからこそ、脱税相談があった。
当初は「そんな事はいかん!」と言っていたのではないだろうか。
そして、最初の脱税行為は大したものではなかったかもしれない。
やり口を熟知しているから、小規模のものを隠すのはカンタンなのかもしれない。
そして、実際にばれなかったのかもしれない。(推測です。)
こうしているうちに、どんどんエスカレートしてしまったのではないだろうか?

 

と、考えると、慣れた仕事ほど怖いと思う。
ルーチンで考えずに行っている仕事ほど、落とし穴が潜んでいるのではないか。
また、見込みが甘くなったり、世の中を舐めた風になったりしてはいないか。
「グレーゾーンぎりぎりを提案します」と言えばカッコイイかもしれないが
それは単純に「向こう見ず」なだけかもしれない。

 

こういう事件は他人事ではなく、他山の石だと思う。
明日は我が身だ。