アタマに来たことと、とても嬉しいので、思わずブログを・・・。
時代錯誤のことだし、万が一のリスクが高いし
コンプライアンスとか順法精神とかという言葉が氾濫している
この時代にこんなことを勧める輩が全滅したんだろうと
思っていたのですが、まだ生息していたとは・・・。
よほど、ノルマが厳しいのか?
私どものお客様が融資を申し込んだ。
もともとは金融機関から勧められた話。
「じゃあ」ってことで、お客様は申し込んだ。
ここまでは、よくある話。
で、回答は「無理です。」
勧めといて、それはないよねー。
これもよくある話ですよね。
お客様はすでに資金が入ってくるつもりで
当初計画にないことをいろいろと思案していた。
そこで、相談が。
なんだろうと思って行ってみると、なんと!
「最近の試算表の数字が悪いから、審査が下りなかった。」
ふんふん、なるほど。確かに、業種的に煽りを受けていますから。
「で、今から2ヶ月間くらい、売上をあと○○円増やしてくれれば、審査がおりるらしい」
でも、このご時世では急激には増やすことは難しい。
○○円とは、売上をほぼ倍にしろ、ということ。
かなり高いハードルですね、ということを言うと
「税理士に協力してもらってくれ、と言われた。」
おお!こんなに信頼されているとは、税理士冥利に尽きる話ではないですか。。。
会ったこともない金融機関の営業の人なのに。。。
よーし、そんじゃ、今から作戦会議だぞーと思っていたら
「会計ソフトをいじれば、いいみたいなことを言ってた」と。
おいおい、それは、まさか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱり、粉飾でした。売上を倍にしろと。
金融機関の担当者も倍にするのは実際には困難だとわかっている。
できれば、社長がとっくにやっている。
だから、審査に回す書類だけ粉飾してくれればよい、と。
最初は理解するのが難しかった。
まさか、この時代にこんなことを頼まれるとは・・・。
しかも、金融機関の勧めで・・・。彼は事の次第を分かっているのだろうか?
お客様のために、やるか?
それとも、ここは思い切って断るか?
特別必要な資金でも無いし・・・。んーーーーーーーー。
私が動揺したのがお分かりになったようで
「いやー、考えたんだけど、その反応じゃやっぱり無理だよね。
やっぱ、そういう汚い事は嫌だから、断るよ。」と一言。
救われました。
犯罪者にならなくて、よかった。
いろいろと話をうかがうと、矛盾だらけ。
特に、売上を増やすのは、とりあえず2カ月だけだけど、売上が増加傾向ってことで
審査に回すらしい。売上が増加傾向だから返済能力が高いってことで
融資実行を勝ち取りたいらしい。
でも、実際は先月の倍になるほどの増加傾向ではないから
真実の決算書を出せば、過去の粉飾はすぐバレる。
「だから、実際に売上を増やしてください、って言われたよ。
それか、うまい事やる方法を税理士と相談してくれってさ」
たぶん、本当のアホだ。
私が大阪に住んで学んだことの1つに、アホは2種類あるということがあります。
1つは、愛らしいアホ。このときのアホは愛情のやり取りでもあります。
もう1つは、救いようのないアホ。
後者ですね。。。
そんなことしたら、会社がダメになることを知っているのか?
会社がダメになっても金融機関は信用保証協会に守られるけど
(まあ、アホの彼は少しは追及されるかもしれないけど)
会社と連帯保証人でもある社長は、信用保証協会から返済を迫られる。
で、調べれれば、粉飾の決算書で融資を申し込んだことがバレる。
そうすれば「詐欺罪」が成立しかねない。
粉飾に加担した我々も共犯にされてしまう。
少なくとも、粉飾を見抜けなかったダメ税理士の烙印を押されてしまう。
金融機関はぬくぬくと金利を貪るだけなのに
社長と私たちはリスクを背負う。
んなこと、できるか!
「最後に、「中小企業会計基準のチェックリスト」を出してくれってさ。
馬鹿だよね。」
そうですよ。社長。
そんな馬鹿金融機関はほおっておいて本業に精を出しましょう。
もし、金融機関の勧めで粉飾をやるなら、営業担当者と支店長の連名の
「粉飾指示書」を出してほしい。署名して実印を押してもらうよ(笑)。
それも一緒に審査に回そう。