アーロンチェアがあるベンチャーは成功しない」という

衝撃的なブログがありました。
オフィス環境改善をされている白木さんのブログです。

「スタートアップ時に見栄や見た目を気にする起業家には投資してはいけない」
というベンチャーキャピタルの投資指針の比喩的表現のようです。

「アーロンチェア」は見栄や見た目の象徴として使用されていて
悪者扱いされてしまって、可哀そうな気もします。

しかし、アーロンチェアが悪いのではない事は当たり前の事。
アーロンチェアのような高額なものでも
リサイクルショップで手に入れたものでも
イスはイス。
座ることができる、という機能には変わりはありません。

開業時に潤沢な自己資金を持っている開業希望の方に会った事がありません。
そんな人が本当にいるのか?と疑問です。
なので、開業時に必ずある相談が「借入の申し込み」です。

カネ無し、ヒト無し、モノ無し、実績無し、の無い無いづくし。
見栄や見た目よりも優先的に投資するものがあるはず。
そして、カネを蓄えておく必要があるはず。

そんな時に、良いイス、良い机、良いクルマ、良いOOO・・・。
カネの使い方を見れば人となりが分かるといいます。
もっと優先的に重点的に投資すべきものがあるはずです。

こんな社長が会社を潰す」という本があります。
八起会という倒産社長で作られている会の会長の野口さんが書いた本です。
野口さん自身、複数回の倒産を経験されておられます。
この本の中にも「見栄にカネを払う社長」が会社を潰す、と書かれています。

井原隆一さんが書いた「財務を制するものは企業を制す」という本があります。
井原さんは元金融マンで、その後会社経営者に転じた方です。
この本の中に、井原さんが金融マンの頃のエピソードがあり
井原さんが部下に「見栄にカネを使う会社への融資は気をつけろ」と
諭す場面があります。

神田昌典さんも著書の中で
開業時は貧乏を経験した方がいい、と
書かれておられます。

これまでの私の経験を通しても、この事は事実だと感じています。
キレイ事ではない、真実があるのだと思います。

売上があれば会社は儲かるのではない。
売上が倍々ゲームで上がったとしても、潰れる会社は潰れる。
逆に、減少傾向でもきちっと利益を出し、蓄えを増やしている会社もある。

この辺りが本当に面白い。
経営が総合芸術である所以だと感じています。

経営は投資です。
少ない投資で多くのリターンを稼ぐ人が優秀とされます。
「商売上手な人」や「やり手」と表現されたりします。
こっちの方がいいですね!

見栄にカネを払う事が「投資」であるならば
どんなリターンを得ているのでしょうか?
そのリターンは、あなたの会社経営上、どんな意味があるものなのでしょうか?