弊社の特色の1つに、新規開業のお客様が多い、という事があります。

(もう1つが、HPから御縁を頂いた方が半数以上というところ)

私もそうでしたが、新規開業すると同時に資金調達を行います。早い話が借金です。
新規開業と同時に御縁を頂いた方との最初の仕事が借金申し込みです。

ここ1年、融資が厳しくなっています。
私が開業した8年前とは全く違う様相です。
廃業率が開業率を上回っている事は周知の事実。
「このままではイカン!」という事で政府は新規開業を後押ししています。

新規開業する方で、特に、30代半ばまでの方で、潤沢な開業資金を
有している方には、お会いした事がありません。
せいぜい、数百万です。
なので、様々な理由、目算、たくらみの基に融資を申し込むのですが
新規開業者向けに貸付を渋っているようでは、開業率が向上するのは難しい。
信用保証協会の存在理由にも関るのではないか?と個人的には感じています。

さらに個人的には、円滑化法でゾンビ企業を作るよりも
これからの未来を担うかもしれない企業に資金を回した方が
地域経済が活性化するし、雇用も生まれると考えております。
「シルバー民主主義」と同じですね。

昨年、融資をお手伝いした方は苦労しました。
苦労した理由は、クレジットカードでキャッシングをしていたから、です。
金額も少なくはないので問題なのかもしれませんが
開業資金の申し込みをした時点では完済していたのです。しかし、一旦は融資がおりない。
あの手この手を使い、なんとか開業資金を借入でき、今は商売をされています。
が、当初はこんなに苦労するとは思いませんでした。

今年、融資をお手伝いした方は相当苦労しました。
すでに個人事業として開業され、実績もある。
新しい業態へ進出するにあたって法人成りをし、融資を申し込んだら、おりない。
減額ではなく、ゼロ回答。
またまた、あの手この手を使って
(あの手この手と言うと裏の手みたいですが、正攻法です。
 時々、政治家の先生に依頼してなんて方もおられますが、どうなんでしょうか?)
融資に成功しました。
この方が何故苦労したのか?実績が無いからです。
既存事業では高い評価を得ている。しかし、新しい業態は実績が無い。
先が見えないから、貸せない。
また、自己資金が少なすぎる、とも言われました。
貸すんだったら、保証人か担保が欲しい。昭和の時代の話をされてしまいました。

この方、新しい業態で何らかの実績があれば、もっと簡単に話が進んだ「かも」しれません。

先ほども「シルバー民主主義」を引き合いにしましたが
この状態を批判する事はいくらでもできます。デモでもやりますか(笑)?

しかし、批判をしても融資はおりません。
商売人たる私達は現実に対応する事が優先されます。
いつでも私達は現実主義者なのです。

既に開業した諸先輩方の話を鵜呑みにせず、状況が変わったことを頭の片隅に入れ
これからの新規開業計画を練らなければなりません。

ただ、借りにくくなった事のメリットもあります。
無謀な借金による無謀な投資で、大変な状況になってしまう会社が減るかもしれない事です。
ある意味で、身の丈にあった成長、という事ができるかもしれません。