2日前の朝日新聞で、大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が
中小企業向けの格付けサービスを開始する、と出ていました。
(詳しくは、こちらから)
大企業向けのようにアナリストが詳細に分析するのではなく
5期分の財務諸表をシステムに入力して、格付けを出すようです。
費用は50万円くらいのようです。
朝日新聞の記事には経営コンサルタントが
中小企業は人脈、社長の特質など様々な定性的要因があるから、
それを考慮しないものはダメだ、と
財務諸表のみの表面的な格付け(?)を批判しています。
確かに、そういう一面はありえるのでしょう。
けれども、財務諸表も社長の性格を表現している、とも言えると思います。
従って、財務諸表のみの分析も有効だ、と私は考えます。
また、起債する時は、あらゆる情報が発表されますから
格付けはその1つとして考慮されるだけです。(重要なものですが)
それに、信頼ある格付け機関からの第三者評価は私募債などの
資金調達のみならず、自社を客観視したり、アピールする際にも
使える、と思います。
取引する上で、財務の健全性は重要ですからね。
と、表面的な話はこんなところで
私はS&Pが格付け設定の際、S&Pに提出される財務諸表を
どこまで信用するのか?が気になります。
金額が50万円程度ですから、社員を派遣して内容を吟味したりすることは
ないと思います。
ましてや、会計監査人の監査が義務付けられることも、ないのでは?
こういう財務諸表=決算書を重要視する潮流は
どんどん大きくなってくると思います。
現在も新規に取引口座を開設する際に
決算書の提出を求められるケースがありますが
もっと一般化するのでは?
そうすると、自分に厳しく決算書を作成して財務内容を強化する会社と
後手後手に回って、粉飾まがいの決算書を作成する会社とでは
対外的な信用度は全く違うように解釈される時代が
もうすぐやってくるのでは?と思います。