「領収書ください」

レジでレシートを貰った後に言う言葉がこれです。言ったことあります?

 

 

レシートと領収書の違い

 

レシートを英語で言うと「receipt」です。「レシート」と読みます。レシートは英語の「receipt」を読んだだけなんですね。
では、「receipt」を和訳すると、どんな日本語になるでしょう。

Weblio辞書で和訳を調べると、「領収書」とあります。
(参考サイト:http://ejje.weblio.jp/content/%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88

レシートを和訳すると領収書で、領収書を英訳するとレシートになります。言語は違えど、指し示すものはレシートも英語も同じもの、と考えられます。

 

 

本当にレシートはダメなのか?

 

レシートも領収書も同じもの、という事が分かりました。そうすると、「レシートではなく領収書を下さい」という文は違和感があるように感じます。「炊いたご飯はいらないけど、ライスは大盛りで」と同じ意味だと私は考えています。

そして、この仕事をしていると良く聞く「レシートはダメで領収書はOK」。
この文に省略されている言葉を付け加えると「レシートでは経費として認められないけど、領収書(しかも手書きが望ましい)は正式なものだから経費として認められる」となるでしょう。
果たして、これは事実なのでしょうか?


私は根拠が無いと考えています。少なくとも税法上は。
レシートでも領収書でも支払の事実を相手方である金銭の受取者が証明するものですから、どちらにせよ証拠能力はあると考えております。なので、レシートでも領収書でも他の要件を満たせば経費になると考えています。(他の要件とは事業遂行上直接的・間接的に必要な支出であるということです。)

ではどちらが望ましいかと言われると、私はレシートだと考えており、お客様にも伝えています。
(以下、レシートはレジでもらう購入した品目が1つ1つ記載されている縦長の紙で、領収書は「誰々、日付、金額、お店の名前」が記載されている紙を指します。)


レシートは何を買ったかが明瞭に記載されているので、事業遂行上必要な、どんなものを買ったのかがはっきりと分かります。領収書はその点が不明瞭です。お店の方が但書をしっかりと書いているケースもありますが、ほとんどは空欄か「品代」としか書かれていません。疑う訳ではありませんが、100%明らかではありません。その点でレシートの方が証拠能力が高いと考えています。

 

誤解して欲しくないのは、領収書がダメでレシートがOK、という事ではありません。どちらもOKでより望ましいのはレシートだ、という事です。しかも、これは私の私見です。

 

 

本当になぜなのか?

 

本当によく分からないのが「レシートはダメで領収書はOK」という事が、なぜこんなに広まり信じられているのか、という事です。お客様の社長さん、経理ご担当者さん、従業員さんから本当によく聞かれます。


また「領収書は正式なものだからOK」という事も耳にします。
しかし、これが正しいとするならばレシートは正式なものではないとなります。正式なものでないレシートとは一体なんなんでしょうか?レジで出すレシートが正式なもので無いとするならば、私達は何を貰っているのでしょうか?嘘なのでしょうか?返品するためのものなのでしょうか?
また、それを渡すお店は何を考えて渡しているのでしょうか?

都市伝説としか思えない「レシートがダメで領収書はOK」は、税法的には根拠がありません。
では、なぜ広まったのか?


ここからは本当に私見ですが、私は以下の可能性を考えています。

 

・形式を過剰に重視するあまり、きちんとした領収書が求められるようになった。

・大きな会社で経費精算をするには、領収書の添付が求められる事が多い。
 (内部牽制?私は大きい会社で働いた事が無いので完全な憶測です。
  そうだとすると、これも形式偏重に見えます。)

 

 

どこの会社もレシートでOKになれば、レジがもう少しだけ早くなりますかね?