生命保険には3種のプレイヤーがいます。

 

契約者(=保険料支払者)、被保険者、保険金受取人です。
この3種は契約時に設定することになっています。

 

保険金受取人は被保険者に保険事故が発生した時
死亡保険金の場合は被保険者が亡くなった時に
保険金を受け取る人です。
例えば、旦那さんが契約者・被保険者で奥さんが保険金受取人の時
奥さんの口座に保険金が振り込まれる、という事になります。

 

この保険金受取人は変更する事ができます。

上記の例ですと、旦那さんが亡くなる前ならば
契約者(旦那さんとします。)が自由に保険金受取人を変える事ができます。
「自由に」と言っても、保険金目的の事件が起きないよう
近い親族以外の人に指定できない事になっています。

なので、あなたの生命保険金受取人を
静岡市の税理士の酒井文人にする、という事はできません。

 

また、遺言で指定する事もできます。

 

 

受け取った保険金を他人に渡せるか?

 

結論から言えば、贈与になります。

民法上、生命保険金は保険金受取人の財産と考えられています。
亡くなった旦那の財産を相続する、という考えではなく
元々、保険金受取人の固有財産だ、ということになります。
(なので、遺産分割協議書にも載せません。)

もともと自分のものを誰かに渡し、貰った人はしっかり受け取るのであれば
それは贈与になります。
贈与税が課される可能性があります。

 

保険金受取人が奥さん1人で、相続が発生した場合
保険金は全額が奥さんの固有財産で、奥さんが受け取ります。
相続発生後に、子どもの1人に半分を渡したい、となっても
それは贈与になり、贈与税が課されることになります。
(贈与税を覚悟すれば、いつでも渡す事はできます。)

 

保険金を保険金受取人以外の人に渡したいならば
保険金受取人を変更しておく必要があります。

 

 

複数の受取人がいるのに、1人が受け取った場合

 

これも贈与になり、贈与税が課される可能性があります。

保険会社により取り扱いが異なる事があるのですが
原則的に生命保険金は保険金受取人の口座に振り込まれます。
従って、保険金が2人いれば、2人の口座に別々に振り込まれます。

しかし、例外的に、代表者を指定し代表者の口座に振り込まれる事があります。
保険会社としては、代表者がもう1人の受取人に渡してくれる事を
期待している、という事になります。

 

しかし、代表者が保険金をもう1人の受取人に渡さない場合も
贈与と認定される可能性があります。
代表者が受け取った保険金全額のうちいくらかは
もう1人のものですから、渡さないのはおかしい。
事実を吟味して贈与が認定されれば、その後の相続税調査で贈与税課税。
という事にもなりかねません。

 

 

生命保険金は相続対策に有効な手段です。
が、間違えると、何もしない状態よりも悪化させてしまいます。
御自分が実現したい事が実現できるのかどうか見極め
それをサポートしてくれる代理店さんなど、がいると力強いです。

 

 

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