公正証書遺言で遺言を作成する方が増えているようです。
弊社にも公正証書遺言の相談が時々寄せられます。
公正証書遺言さえあれば何でも解決するような
魔法の杖のようなものとしてお考えの方もおられます。

しかし、そんな事はありません。内容が大切です。
内容次第では、遺言が無い方が良かったという事さえあります。

 

公正証書遺言が作成してあった方の御相談です。
お父様が亡くなり、相続人は長男・長女を2人です。

 

公正証書遺言には
1、自宅は長男が相続する。
2、現預金は長男と長女で1/2ずつ相続する。
とだけ記載がありました。

しかし、お父様の財産を調査すると
証券会社に預けてある株式や投資信託など
公正証書遺言に記載されていない財産がありました。

こういった場合、どのように分割すれば良いのか、と
いうことが御相談内容です。

 

このように、公正証書遺言に記載が無い財産がある場合は
遺産分割協議による分割を行うこととなります。
そして、協議の結果の分割協議書を作成することなります。
(相続税申告書に添付することとなります。)

 

 

なぜ、このようになったのか、そこまでは伺いませんでした。
が、公正証書遺言作成後に財産の内容に変動があっても
おかしくはありません。

この方の場合、公正証書遺言作成後に証券口座を開いたのか
また、単純に公正証書遺言に載せるのを失念したのか
それは分かりませんが、財産を分けるという点では漏れが
発生してしまいました。

亡くなったお父様の遺志は分からないままです。

 

公正証書遺言があれば完璧で万事が片付くのではなく
やはり、どのような公正証書遺言を作成するのか?が重要です。