経費まで出たら、必要売上高が計算できます。
必要売上高は
「売上高から仕入を引いた残りで経費と生活費と返済を払って、収支トントンになる売上高」です。
売上高
△ 仕入(材料代)
売上総利益(粗利益)
△ 経費
利益
△ 生活費
△ 返済
真の利益
損益計算書(P/L)はこのような構造でした。
「構造」という難しいものではなく
「売上」という入ってくるお金から
「仕入」や「経費」、「生活費」など出ていくお金を引いていく。
引き算の結果の残るお金(減るお金)が「真の利益」というだけです。
出ていくお金に色づけを行っただけです。
損益計算書を横に並べると
「売上高-仕入-経費-生活費-返済=真の利益」
になります。
真の利益を0円、つまり、収支トントンだとすると
「売上高-仕入=経費+生活費+返済」
になります。
これは、売上から仕入を引いた残り=売上総利益(粗利益)から
経費を払って、生活費を稼ぎ、返済をして、残ったお金が0円
という事です。
では、仕入を引く前の売上高はいくらなのか?
必要売上高の時の仕入はいくらなのか?
売上高が100で材料代が10だとすると
売上総利益(粗利益)は90になります。
10÷100=10%
90÷100=90%
売上高と仕入(材料代)の割合の事を「原価率」といいます。
反対に売上高と売上総利益(粗利益率)の事を
「売上総利益率(粗利益率)」といいます。
10%が原価率で90%が売上総利益率(粗利益率)です。
一般的に仕入は売上に紐付いて連動して変動します。
売上が増えれば仕入も増えるし、売上が減れば仕入を抑えます。
上記の例だと、売上高が増加すると
売上高の10%だけ材料代も増加して
差額の売上高の90%だけ売上総利益が増加する、と考えます。
実際には微妙なズレがありますが
話を単純化するため、10%で考えます。
実際に必要売上高を出してみます。
経費が600、生活費が100、返済が20、真の利益が0だとすると
合計は720になります。
原価率10%・売上総利益率90%の時の必要売上高は
720÷90%=800
と計算され、800になります。
売上800×90%=売上総利益720、となり
経費、生活費、返済を引いて、トントンになります。
この計算式のからくりをあえて難しく書くとこうです。
収支トントンの状態は
「売上-仕入=経費+生活費+返済」でした。
売上から仕入を引くと、売上総利益でした。なので
「売上総利益=経費+生活費+返済」と書き換えることができます。
売上総利益は「売上高×売上総利益率」ですから
「売上×売上総利益率=経費+生活費+返済」とさらに書き換えられます。
この式を変形させて
必要売上高=(経費+生活費+返済)/売上総利益率
となります。
<補足>
損益計算書が言う仕入は、「使った仕入」になります。
売上が仮に0円の時も仕入を行います。
売上が0円で仕入50万円という事はよくありますが
売上が無ければ買った仕入・材料は使っていませんから
損益計算書上では「売上0円、仕入0円」になります。
買った50万円は「在庫」になります。