収支トントンになる売上高がいくらで

そこに達するまで何か月かかるか?(かけるのか?)を
見てきました。

 

収支トントンになる売上高の事を専門用語で
収支分岐点(しゅうしぶんきてん)と言います。
P/Lよりも知っている人が少なく、会計専門家でも
言葉そのものは知らない人がいます。
なので、収支分岐点と言う言葉、覚えておいてください。
ゼッタイ、カッコイイですから!

 

似たような言葉に損益分岐点(そんえきぶんきてん)があります。
収支分岐点との違いは、借入金の返済と生活費を除いたところ
つまり、売上-仕入-経費=0円になるところの売上高を言います。
借入金が無い会社では使えます。
が、借入金がある会社や個人事業の場合は生活費を考えなくてはなりませんから
損益分岐点よりも収支分岐点の方が使えます。

 

それに、我々、現場で働くオーナーにはフィットする考え方です。

 

 

話を本題に戻して・・・。

 

収支分岐点を上回るような状態になるまで
カネが持つのか?
とても気になるところですよね。
この検証を行ってください。
借入の為、もありますが、御自分の為にも行った方がいいです。

 

例えば、経費600、生活費100、返済20
売上総利益率90%(原価率10%)で
1か月目の売上が500
2か月目の売上が680
3か月目の売上が800
の場合を試算してみます。

 

計算を簡単にする為、売上は現金で頂き
仕入や経費は現金で払うものとします。
実際はクレジットカード決済で翌月に入金されたり
仕入は翌月末日に振り込んだり、と異なったりします。

 

【1か月目】

 

売上      500
仕入          △50
売上総利益 450
経費      600
利益     △150
生活費       100
返済             20
真の利益 △270

 

※1か月目は資金が270減る。

 

 

【2か月目】

 

売上      680
仕入          △68
売上総利益 612
経費      600
利益          12
生活費        100
返済             20
真の利益 △108

 

※2か月目は資金が108減る。

 

 

【3か月目】

 

売上      800
仕入          △80
売上総利益 720
経費      600
利益       120
生活費        100
返済             20
真の利益    0

 

※3か月目は収支トントン

 

 

1か月目がマイナス270、2か月目がマイナス108で
合計でマイナス378です。
2か月で資金が378減る事になります。

 

この途中で資金が足りなくなれば、ゲームオーバー、と
いうことになります。

 

 

では、運転資金として378、きりのいいところで400を
借入をすることができるか?
現在、運転資金として借入ができる額は
おおよそ「経費1か月分」です。
今回の場合、経費が600なので借入で賄えそうです。
(必ず借りれる、ということではありません)

 

 

ここでは3か月目で軌道に乗る、という事が前提でした。
実際に3か月で軌道に乗るかどうかは、やってみないと分かりません。
3か月で軌道にのらず、収支分岐点を越えられず
手持ち資金が減り続けていったとしても、開業直後の追加融資は
非常に困難です。

 

なので、自己資金が重要になってきます。
そして、生活費を最低にしておくことが重要になってきます。

 

お店を出店する為の内装費用等の「開業前計画」の資金は
比較的借入がしやすいです。
しかし、運転資金はなかなか厳しいのが現状です。
特に、美容院は開業すれば、すぐに現金収入が発生する、と
金融機関は考えているので、運転資金3か月分というのは
今では考えられません。