相続対策=相続「税」対策、と、思われがちです。

相続税増税があと1年と迫っている事もあるのかもしれません。

しかし、相続対策は相続税対策だけではありません。

私は、相続対策の優先順位は

1、円満相続対策
2、納税資金対策
3、相続税対策

この順番だと考えています。

はっきり言って、1番と2番がOKならば
無理矢理相続税を減らすような事はしなくてもいいと思っています。

そして、この順番は、相続を経験された方
特に、揉めた経験がある方ならば、お分かり頂けるはずです。
「円満」がいかに難しいか・・・。
しかし、実現できた時は、どんなに素晴らしい事かも知っています。

家族のカタチは、それぞれです。
そして、何十年もの時間の積み重ねがあり、今があります。
なので、「円満」と言っても、何をもって「円満」とするかは
それぞれ違います。
均等に分割するのがいい場合もあるでしょうし
特定の相続人には相続させない事がいい場合もあるかもしれません。

「円満」な遺産分割、主に遺産分割ですが
遺産分割以外にも「円満」の要素はありますから
多角的に考えます。
「遺言」の効果ももちろんあります。

最も大切なもの、「円満」を最も切にする。
納税額が最少になる分割であれば、税理士は要らないです。
それだけ、「円満相続」は難しい。
そして、その価値はあります。

「円満」になる遺産分割などが実現したとして
その結果発生する相続税。
これは支払うしかありません。
最優先事項を実現したのですから
ある意味仕方がありません。

そして次に、2番の納税金対策の出番です。

相続税は現金支払が基本ですから、現金を用意しなくてはなりません。
この現金が用意できるか否か。
足りなければ、どれくらい足りないのか?
残された家族、特に、配偶者の生活資金を確保しつつ
納税資金対策を考えます。

円満相続が実現し、納税資金も確保できたのならば
次に、相続税減額対策です。
ただし、これは、「円満相続」の範囲内で行います。
「円満相続」を崩すような事は行ってはいけません。

「円満」にならないのであれば
アパマン建設は白紙にする事も考えてください。

「円満相続」を前提にして考えると
大ナタを振るうような相続税減額対策は
なかなか実行できない事が多くなります。
そうすると、時間をかけて行う事が多くなります。

相続対策は

1、円満相続対策
2、納税資金対策
3、相続税対策

この順番がベスト、と私は考えています。

追伸

相続税対策も、土地にアパマンを建てる、とか
経済成長・人口増加時代の遺物が叫ばれています。
都会は分かりませんが、静岡市周辺で相続税対策で
アパマンを建てて、心から喜んでいる人はどれくらいいるのでしょうか?