前回までで必要売上高がいくらで、
必要売上高を分解して、どのように達成していくかを
具体化していきました。
開業初月から必要売上高に達すれば、それが一番です。
しかし、なかなか難しいです。
金融機関の審査担当の方も、それは分かっています。
むしろ、開業初月から「軌道に乗せます!」と言い切ってしまう人は
「大丈夫かな?」と思ってしまいます。
金融機関の人は堅実な人が好きなのです。
そこでお金を借りるためにも
御自分の開業後の世界を知るためにも
シュミレーションをしてみましょう。
損益計算書はこの通りでした。
売上高
△ 仕入(材料代)
売上総利益(粗利益)
△ 経費
利益
△ 生活費
△ 返済
真の利益
この損益計算書を月々作ってみるのです。
開業1か月目 開業2か月目 開業3か月目 ・・・・
売上高
△ 仕入(材料代)
売上総利益(粗利益)
△ 経費
利益
△ 生活費
△ 返済
真の利益
と、こんな具合です。
例えば、経費は600、生活費は100、返済は20、で
売上総利益率が90%、原価率10%の場合
必要売上高は800でした。
この800に達するまでの道のりを描いていくのです。
例えば、開業1か月目は売上が500。
この属性のお客さまが〇人、客単価が〇〇円。
開業2か月目は売上が680。
この属性のお客さまが〇人、客単価が〇〇円。
開業3か月目で売上が800
この属性のお客さまが〇人、客単価が〇〇円。
という具合です。
この例だと開業3か月目で収支トントン、軌道に乗った、という事になります。
日本政策金融公庫の開業計画には
「開業初月の損益の状況」と「軌道に乗った時の損益の状況」の
2つを記載する事が求められます。
また「軌道に乗った時の損益の状況」が開業何か月目かも書かなければ
いけません。
この2つは日本政策金融公庫だけでなく、他の金融機関でも
同様に聞かれます。
お金を貸す側としては、知りたいところですから。
あくまでも「計画」であって、実際にこうなるかどうかは
誰にも分かりません。
しかし、こういう計画がしっかり立ててあればあるほど
この事業に対する熱意があり真剣で誠意があると思われます。
また、スタートダッシュも違いますから
実現可能性が高まります。
必要売上高をどのように達成するか?達成していくか?は
審査の時も聞かれます。
しっかり、考えておくことをお勧めします。